皆さんはセルフコンパッションという概念はご存じですか?
書籍や勝間和代さんの有料サポートメールで知り、近年とても興味を持っていましたが、この度ありがたい機会を頂き、学んでいます。
この記事では、大乗仏教をベースにしたコンパッションフォーカストセラピー(宗教色を排除した科学的手法)の学びのアウトプットの場として、現時点の理解や気づきを書いています。
セルプコンパッションに興味がある
自分に優しくする方法を知りたい
といった方のお役に立てましたら、嬉しいです。
セルフコンパッションとは
セルフコンパッション(self-compassion)とは、「大切な人を思いやるように、自分自身を思いやること」
ネガティブな状況、ストレスがかかる状況はもちろんのこと、ちょっとした日常でのやりとりにおいてでも、「自分なんてダメなんだ」と自己批判することってありませんか。
セルフコンパッションを高めることで、「自分はダメ」だと思う自己批判の習慣を、「自分は大丈夫」と前向きな気持ちで行動に移すことができるようになります。
いわば、「自分に優しくする技術」だと言えるのではないでしょうか。
★コンパッション・フォーカスト・セラピーとは?
コンパッション・フォーカスト・セラピーはイギリスの行動・認知療法学会の元学会長のポール・ギルバート博士によって開発された心理療法です
セルフ・コンパッションは体感していくことが大事とのことで、各講義では理論の学びの他に、瞑想にも取り組んでいます。
みなさんは、コンパッションと聞いて何を思い浮かべますか?
セルフコンパッションを英語に訳すと、self-compassion
com→共に
pati(patient=患者)→耐える・苦しむ
自他の苦しみに敏感に気づき、それを取り除こうとする取り組み
つまり
com + pati =ともに苦しむ
思いやりなのに、苦しむことなのだと思いますよね。
私は最初com+passionで「共に情熱的になる」と思いましたもの。←違います
セルフコンパッションのルーツである仏教の創始者ブッダはこのように説きました。
道を生きるものよ、生きる事は苦しみなのだ。
老いること、病にかかること、死は苦しみである。
厭わしいものと出会うこと、愛する人とわかれなければならないことも苦しみである。
求めるものを得られないこと、ままならない人間の心もまた苦しみである。
ブッダ最初の説法 マハーヴァッガより
(反応しない練習より引用しました)
反応しない練習に、このように書かれています。
ブッダの考え方の特色は、「人生には悩み・問題がつきものなのだ」という現実を最初に受け入れてしまうところにあります。私たちが日々感じている満たされなさ、生きづらさ、憂鬱といった思いを「ある」と認めてしまうこと。その潔さが仏教の特徴です。
セルフコンパッションにおいて、
人生にある「悩み・問題・気持ち」に気づき、ともに(com)、苦しみます(pati)。
「ある」苦しみを「ある」と認め、自他を思いやり和らげていきます。
「ある」苦しみに気づき和らげることによって、自分の気持ちに気付くようになります。私達は、なんと実際とは違う気持ちにすり替えたり、自分に嘘をついて容易に隠すことができるのです。
たとえば、こんな経験はありませんか?
「悲しいはずなのに、悲しい気持ちにならない」
「喜んでいたはずなのに、突然キレてしまった」
実際の気持ちに気づくこともできず、都合の良い、扱いやすい感情に置き換えてしまう。
それこそ、本来の自分が苦しみます。
本来の苦しみに気づく、そして和らげる。
それこそが、本当の意味で、自分に優しくすることなのかもしれませんね。
自分の気持ちというのは、実際とは違う気持ちにすり替えたり、自分に嘘をついて容易に隠すことができます。
自分にとって都合の良い感情、扱いやすい気持ちに置き換えてしまっているのです
自己受容力(セルフコンパッション)が低い状態
さて、ここでセルフコンパッションが低いとどうなるのか、見ていきたいと思います
まずは、困難、失敗、不安、緊張に直面する
↓
「自分なんてダメだ」と自己否定をする
↓
ネガティブな状態になる
例えば
- 自信を無くして
- 不安が高まって
- 気分が落ち込んで
- 立ち直れなくて
- 弱みをより一層意識するように
自己受容力(セルフコンパッション)が高い状態
続いて、セルフコンパッションが高いとどうなるのか、見ていきたいと思います
まずは、困難、失敗、不安、緊張に直面する
↓
自分に思いやりの気持ち・言葉・行動を送る
↓
ポジティブな状態になる(^^♪
例えば
・自信があり
・幸せいっぱいで
・不安が減って
・立ち直りやすくなって
・落ち込みにくくなる
具体的にどのように自己受容を高めていくのか
セルフコンパッションを高める2ステップ
自他の苦しみに気づく
まず一つ目が
自分と他者の苦しみに気づくこと。痛みに目を向けること
目の前にある苦しみをなかったことにしない。気づき、感じること。
苦しみを和らげ、苦痛を取り除く
二つ目が
痛みに向き合うことは勇気がいることですが
気付いた苦しみを和らげ、苦痛を取り除き、予防すること。
セルフコンパッションを高め合う3フロー
セルフコンパッションは、下記3つの相互作用で育まれていきます。
- 自分へコンパッション(思いやり)を送る
- 他者へコンパッション(思いやり)を送る
- 他者からのコンパッション(思いやり)を受け取る
順番にみていきますね。
自分へコンパッション(思いやり)を送る
まず一つ目の「自分へのコンパッション」は、失敗や困難があった時に、「大丈夫だよ」「がんばったね」などの思いやりの言葉を自分にかけること
他者へコンパッション(思いやり)を送る
二つ目の「他者へのコンパッション」は、失敗や困難に遭遇している他者へ「いつもありがとう」「がんばっているね」「大丈夫だよ」と思いやりの言葉や行動を向けること
他者からのコンパッション(思いやり)を受け取る
三つ目の「他者からのコンパッション」は、他者から自分に送られた「ありがとう」「大丈夫」「応援しているよ」「頼ってね」などの思いやりの言葉や行動を受け取ること
以上3つが相互作用することによって(自分にもコンパッションをむけるし、他者にもコンパッションをむけて、他者からのコンパッションもうけとる)
セルフコンパッション(自己受容)が育ってきます。
なぜ、自分だけではなく
他者へのコンパッションも必要なのか。
脳は一般的に自分と他者の存在をあまり区別していないと考えられているからです。
自分に対して向ける思いやりと他者に向ける思いやりは同じ部分が活性化されていると言われています。
- 自分へコンパッション(思いやり)を送る
- 他者へコンパッション(思いやり)を送る
- 他者からのコンパッション(思いやり)を受け取る
この3つを取り組みやすいところから、やってみてみましょ~。
セルフコンパッション(自分への思いやり)を高めるワーク
セルフコンパッション(自分への思いやり)を高めていくために、慈悲の瞑想ワークというものがあります。
例えば、特定の誰かを思い出して下記のような思いやりの言葉を脳内で送ります(コンパッションビームといいます)
●●さんが幸せでありますように
●●さんの悩みや苦しみがなくなりますように
●●さんが穏やかで安全に過ごせますように
●●さんの夢や願いが叶いますように
●●さんが平和や喜びで満たされますように