春だからでしょうか。春休み、卒入学式、変化が多い春だったからでしょうか。
子供達の春休みが終わった今週からというものの、どこかプチっと糸がきれてしまったように、やる気が湧き上がってこない、この数日間。
大好きな漫画やドラマ見ても集中できず、どこか上の空。
やりたい事はあるんだけど、手につかない感じ。
ご飯も作る気が起きません。
これがいわゆる子どもが成長して巣立っていくことをきっかけに、親が感じる喪失感や寂しさ、空虚感などを感じる”空の巣症候群”なのか。
巣立ってないし!
とはいえ、小学生から中学生に変わったことで、少しずつ「子離れの予兆」を感じることから、感情が揺らいでいる状態なのかもしれませんね。
こんなときは無理せずにボチボチとやっていこうと思います
提供しているコーチングにおいては
「人生を変えたい」「今の自分を変えたい」「もっとより良い自分になりたい」など
変化や成長を求めるクライアント様が多くいらっしゃいます。
その一方で、「人は基本的には変わりたくない」という性質があります。
狩猟採集民が毎日毎日食料と安住の地を求め生き延びていく環境の中においては
変化とはストレスであり、変化とは生命を脅かす脅威だったに違いありません。
現状維持バイヤスという言葉を聞いた事があると思います
人は現在の状況を好み、現状を変えることに対して抵抗を感じやすいというもの。
変化に抵抗を感じる私たちは
どのように変化を起こしていけばいいのでしょうか。
そのことについて考えてみました
現状維持バイヤス
現状維持バイヤスとは?
人は現在の状態(状況)を好み、例え良い選択肢があっても、現状を変えることに抵抗する傾向がある、というバイヤス(認知の偏り)
1. 現状維持バイアス(Status Quo Bias)
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概念:人は既にある選択肢や状態を好み、変化を避ける傾向がある。
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出典:
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Samuelson, W., & Zeckhauser, R. (1988). Status quo bias in decision making. Journal of Risk and Uncertainty, 1(1), 7–59.
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このままでいい>もし変えて失敗したらどうしよう
もしやってみて失敗するくらいなら、このままでいい。
行動経済学のプロスペクト理論によると、
研究では、損失の痛みは利益の喜びの約1.5〜2.5倍ほど強く感じるとされる。
痛み>喜び、ということ。
目の前にたわわに実る果実があるんだとしたら
わざわざ未開の地に新しい食べ物を見つけに行くでしょうか。
うん、行かないですよね。
行ってみて、もし果実がなければ死に直面にすることになりますから。
現状維持を選ぶのは、人として居たって正常機能。
じゃあ、人は変われないのか?
変化への抵抗は
むしろ人として至極全うな心理的防衛。
じゃあ、私達は変われないのでしょうか。
こんな人生いやじゃーー
こんな自分はいやじゃー
痩せたいよー
私達は変われないのでしょうか。
変えられます。
人生を変えていけるし
自分も変えていける
痩せられる
(変える必要があるかどうかは、別問題として)
じゃあ、どうすれば変えられるのか
変化を起こしていく3つのステップ
【ステップ1】どこが変わったん!?ってくらいのスモールステップにする
1つ目が、前述したように、選択肢があった時には、現状を選びたくなるという性質を活かすということ。
「え!?どこが変わったん?」ってくらい小さな変化、小さなアクションに分解する。
例えば、ごはん粒を一つだけ減らしてみるとか。絶対分からないし!
100日後には100粒減ってるって具合。
その反対に、一気に痩せると一気にリバウンドしますしね
実際にすぐに成果が出したい、すぐに人生を変えたいとご要望頂くことは多いのですが、その気持ちも分からなくはないのですが、、現状維持バイアスで元に戻ろうとする力が働くため、頑張った末に元に戻ってしまうという可能性も秘めているんですよね。
もちろん急激な環境変化で強制的に変化が起こることもあり得ますし、負荷をかけて変化を課し習慣化する成功例もゼロではないと思います。
【ステップ2】小さな成功体験を積み重ねる
今日は、一粒お米を減らせた
今日も、一粒減らせた!!
って具合に、小さな成功体験を積み重ねていく。
その積み重ねが「私、できた!」という自己効力感を育んでいきます。
小さく小さく変化を起こしていく
自分を、環境を変えていく。
死に直面するかもしれないから、現状を変えたくないと考える脳に、これは現状のままで変わっていなんだよといい意味で騙していく戦法。
小さな成功体験をミクロに積み重ねていきましょう。
【ステップ3】サポートや共感のある環境をつくる
ステップ1
小さく小さく分解したスモールステップアクションにする
⇓
ステップ2
スモールステップアクションの成功体験を積み重ねる
そして、変化を起こすための最後のステップ3
それは、その小さなスモールステップを一緒に作る仲間を作ること
成功体験を仲間と喜ぶこと
人は一人で生き延びられません。
集団で協力しあうことで、マンモスに勝ってきたのです。
誰かと協力しあうこと、成果を誰かと喜ぶことで、「変わりたくない」を「変わった」に変えていける。
人間だもの。
深め本
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『ファスト&スロー(ダニエル・カーネマン)』
→ 認知バイアス全般のバイブル的存在です。わかりやすく丁寧。 -
『影響力の武器(ロバート・チャルディーニ)』
→ 人がなぜ行動を変えることが難しいか、説得にどう反応するかなどが満載。 -
『モチベーション3.0(ダニエル・ピンク)』
→ スモールステップや内発的動機について、平易な語り口でまとめています。
それでは、また。